おせち料理は日もちするの?

昔のお家は隙間風が入り、締め切っていても換気が十分にできる造りが多かったですね。でも今は高気密で冬でも20度くらいになりますから、おせち料理は冷蔵庫で保存して、お料理によっては火を入れたり、煮返したりして手を入れながら早く食べましょう。特に御家庭で作られるおせち料理は、デパートなどで購入するおせち料理のように保存料などの添加物が調理する段階で少なくなっていますから、保存に気を使いましょう。

具材の筍(たけのこ)は春が旬じゃないの?

筍は春の代名詞で、あの口当たりのよさは生でも味わい深いものがあり、収穫の早いものは年末に早掘りのものが出回ります。その筍を仕入れたホテルや料亭では生のものも口に出来ます。筍の穂先は柔らかく、煮物、和え物、汁物に適する食材ですが少量しか取れず贅沢な食材でもあります。筍は成長が早く、一旬(10日)で竹になる事から、『筍』の字があてがわれました。その成長の早さ、勢い、真直ぐな様は子供の成長によく例えられています。『竹』又は『筍』は、『子孫繁栄』『健児』の異名があり、『松竹梅』はおめでたいものの象徴として慶事に用いられていて、お正月にも筍が用いられているのでしょう。中国での歳寒三友(さいかんのさんゆう)である松・竹・梅は宋の時代から描かれ始めました。「清廉潔白・節操」という、文人の理想を表現したもので、日本に伝わってからの「目出度い」ことの象徴の意味とは大きく異なっています。

お正月のお刺身は、ブリが多いのは何故?

ブリは厳寒期に最も脂が乗り、成長に伴って呼び名が変わる美味しい『出世魚』なのです。関東ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、関西ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリと、成長するに従って名前が変わります。縁起の良い「出世魚」のブリはは極上の御馳走として日本中のほとんどの土地で珍重されています。土地によってはお正月の玄関や軒先にブリを吊るして、その数を競い合う風習もありました。海釣りでもブリ等の青物釣りは冬場に人気があります。お正月のお刺身は一本ブリを購入しておけば、お刺身だけでも十分な量になります。また脂の乗った新鮮なブリは、この時期の大根と合わせて旬の料理であるブリ大根にすると絶品の味になります。脂の乗った新鮮なブリのアラから出る旨みを大根にしみ込ませるのが秘訣です。ブリのアラを兜割りにしてブツ切りにし、荒塩をふって流水でエラや内蔵、血を除いておき、一度湯引きして流水で再度血などを取ってから煮始めると臭みが出ません。